『永遠のいのち』
聖書箇所 ヨハネ17：1～5
17:1 イエスはこれらのことを話してから、目を天に向けて、言われた。「父よ。時が来ました。あなたの子があなたの栄光を現わすために、子の栄光を現わしてください。
17:2 それは子が、あなたからいただいたすべての者に、永遠のいのちを与えるため、あなたは、すべての人を支配する権威を子にお与えになったからです。
17:3 その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストとを知ることです。
17:4 あなたがわたしに行なわせるためにお与えになったわざを、わたしは成し遂げて、地上であなたの栄光を現わしました。
17:5 今は、父よ、みそばで、わたしを栄光で輝かせてください。世界が存在する前に、ごいっしょにいて持っていましたあの栄光で輝かせてください。
説教要旨
この箇所は、主イエスが十字架に架かられる前日、父なる神に祈られた祈りが記されています。主イエスは、ご自身が十字架に架かる時が来たことを告げられ（v1）、十字架の死は、私たち人間に永遠のいのちを与えるためと仰せられました。（v2）「その永遠のいのちとは、彼らが唯一のまことの神であるあなたと、あなたの遣わされたイエス・キリストを知ることです。（v3）」 「永遠のいのち」というと、ずっと長く続くいのちのような印象を受けますが、そういうことではありません。ここで「知る」というのは、交わりを持つということです。どういうことでしょうか？聖書を見ますと、神は、この世界と私たち一人ひとりを造られたと告げています。私たちは、神の作品です。偶然、生きているのではなく、神に生かされております。しかし、私たち人間は、造り主なる神から背を向け、離れてしまっています。その結果、心は空しく、魂が渇いています。（4：13）罪の奴隷となっております。（8：34）神は、聖いお方であるので、罪を受け入れられず、罪を裁かれ、私たちは、罪を抱えたままでは、神との交わりを持つことはできません。罪の内に滅びに向かっております。しかし、神は、まことに憐み深いお方で、私たちを愛し、罪から救うために、神のお独り子イエス・キリストをお遣わし下さいました。（v3）（v5）イエス・キリストは神と私たちの唯一の仲介者で、十字架で私たちの身代わりに神の罰を受け、死なれ、そして、復活され、神との和解の道をご用意下さったのです。
神に立ち返り、神との交わりにいかされていくとき、私たちの歩みは変えられていきます。どんなにゴージャスな切り花も、根が地についてなければ、それは死んでおり、いずれ枯れていきます。しかし、どんなに静かに咲いている野の花も、根が地についていれば、それは生きており、養分を土から吸って、花を咲かせ、種を残していきます。神との交わりにいかされていくとき、この世が与えることのできない潤いと平安が与えられていきます。また、神から力をいただき、罪の力に打ち勝って、魂が清められていきます。また、私たちは、苦しみを抱えているとき、誰かに分かってもらいたいと、その苦しみを話し、その人は、私たちを思って一生懸命に励ましてくれますが、でも、それで逆に悲しみが増すことがあります。人の共感や愛は、私たちの魂の叫びを癒し切ることはできません。しかし、神は、私たちの心の叫びをお聞き下さるお方です。この17章1節～5節の間で、「父よ。（v1、v5）」と呼びかけ、「あなた」という言葉が繰り返されていますが、「唯一のまことの神であるあなた（v3）」と、神の名を呼ぶことができるのです。聖書を読み、祈る中で、不思議にも深い慰めをいただき、癒しをいただいていきます。とは言え、私たちは、この地上では、やはり、どこまでも罪を犯し、また、一切の悲しみや涙が消え去ることはなく、心の中で呻きながら歩みます。しかし、やがて私たちは死を迎えますが、死は、絶望ではなく、天の父なる神の懐に抱かれていくのです。神ご自身が、私たちの目の涙をすっかりぬぐい去って下さるのです。（ヨハネ黙示録21：4）これは、主イエスの弟子のためだけに祈られ言われた言葉でしょうか？そうではありません。（v20、21）弟子たちが記した言葉、聖書によって、イエス・キリストを信じる人々誰もが永遠のいのちをいただき、今新しいいのちをもって歩むことができ、やがて神の懐に抱かれる天の御国へと迎え入れられていくのです。水野源三さんの詩。「新しく造られた者よ 御神の新しき御声を 心開き聴いてから 新しき一日を始めよう 新しく造られた者よ 御神の新しき御愛を心深く受けてから 新しき一日を始めよう 新しく造られた者よ 御神の新しき御旨を心静めて知ってから 新しき一日を始めよう」 イエス・キリストを救い主と心に迎え、罪赦され、永遠のいのちをいただき、「唯一のまことの神」を「父よ」「あなた」と呼ぶ歩みへと導かれていきましょう。