聖書箇所 創世記2：1～3
2:1 こうして天と地とその万象が完成した。
2:2 神は第七日に、なさっていたわざを完成し、第七日に、なさっていたすべてのわざをやめられた。
2:3 神は第七日を祝福し、この日を聖なるものとされた。その日に神が、なさっていたすべての創造のわざをやめられたからである。
説教要旨
神は第六日までで創造の御業をなされ、第七日に創造の御業の完成を確定され、創造の御業から離れられました。（v1、v2）神は計画を立て、情熱を注ぎ、綿密に丁寧に世界をそして人を造られました。神はそのわざから離れ、手を休め、世界を見渡して喜び満ち足りた様子が想像されます。神は第七日を祝福し、他の六日とは区別され、創造を祝う特別な日とされました。（v3）これに基づき十戒では安息日を覚えて聖なるものとせよと命じています。（出エジプト20：8～11）六日間の働きから離れ、神の創造の喜びをともに喜ぶよう招かれています。私たちは主日、創造の御業を祝い創造者なる神を賛美します。私を造られた神を賛美します。
第七日は、六日間繰り返されていた「夕があり、朝があった」がありません。第七日、安息日は閉じられておらず、やがてもたらされる救いの御業が暗示されていると言われます。（へブル4：1、9参照）申命記5章では、安息日を聖なるものとする理由をエジプト脱出の神の救いの御業を覚えることとしています。エジプト脱出は、神が御子イエス・キリストによって成し遂げられた救いの雛型です。神はご自身に背き、罪の下にある私たちを憐れみ、御子を人としてこの地に遣わし、神の怒りのなだめの供え物として十字架に架け裁かれ、救いの御業を完成されました。キリストを信じる者の罪を赦し、永遠の滅びから救い、神との平和（安息）の中に入れて下さいます。イエス・キリストは、死の中から復活され、救いの御業の完成の保証となられました。救いの御業の完成を表すイエス・キリストの復活を記念し、教会は徐々に土曜日ではなく日曜日を安息日として礼拝を捧げるようになりました。主日は、救いを祝う日です。独り子イエス・キリストの犠牲により、罪の中から救い出して下さった御業を覚え祝います。また、やがて与えられる天の御国、永遠の安息を待ち望みます。
神は私たちを礼拝式に創造と救いの御業をともに祝うよう招かれ、私たちは創造と救いの御業を喜び感謝し神を称えます。恵まれるため、平安を得るために礼拝式に集い、礼拝を捧げるのではありません。神が神であられ、神の創造と救いの御業を祝い感謝し、礼拝を捧げます。しかし、その歩みにおいて結果として神は私たちを祝福して下さいます。安息日は、神のための日であり、また神の祝福を受ける私たちのための日でもあります。主イエスは仰せられました。「安息日は人のために設けられたのです。…（マルコ2：27～28）」礼拝式の最初は「招詞」です。神が礼拝式に招いて下さるのです。1：26と27は神が造られた私たち人間の原点が示されていますが、私たちはその原点から六日間の歩みの中でどうしても離れてしまいます。神に造られ愛されていることを見失い、自己嫌悪の中に置かれます。人間関係で痛み、自分の失敗を悔い、人の言葉や態度で揺れ動きます。仕事のプレッシャーで押し潰されそうになったり、繰り返される務めに虚しさを覚えたり、苦難の中で恐れ疲れてしまいます。でも、そのような私たちをご存知であられる神が礼拝式に招いて下さったのです。一週間、神の御心に従うことができた私たちを招いて下さったのではありません。「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。（マタイ11：28）」神は、賛美、祈り、そして何よりも御言葉と聖餐を通し、創造者なる神を示し、キリストの十字架による赦しと復活の勝利を示し、聖霊により抱えている課題や痛みに働きかけ、慰め、励まし、戒め、立ち上がらせる神の祝福を与えて下さいます。礼拝式の最後は「祝祷」です。神の祝福の宣言です。神は祝福を宣言し、注ぎ、神の平安の中に置き、六日間の持ち場へと送り出して下さいます。それは単に私たちを神の祝福と平安の中に置くだけではなく、神の祝福と平安の基として家庭、職場、学校の中に遣わし、持ち場に神の祝福と平安がもたらされていくのです。