聖書メッセージ『感謝と成長の祈り』(コロサイ1:1~6)

 聖書箇所  コロサイ1:1~6

1:1 神のみこころによるキリスト・イエスの使徒パウロと、兄弟テモテから、

1:2 コロサイにいる聖徒たち、キリストにある忠実な兄弟たちへ。私たちの父なる神から、恵みと平安があなたがたにありますように。

1:3 私たちは、あなたがたのことを祈るときにいつも、私たちの主イエス・キリストの父なる神に感謝しています。

1:4 キリスト・イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対してあなたがたが抱いている愛について聞いたからです。

1:5 それらは、あなたがたのために天に蓄えられている望みに基づくもので、あなたがたはこの望みのことを、あなたがたに届いた福音の真理のことばによって聞きました。

1:6 この福音は、あなたがたが神の恵みを聞いて本当に理解したとき以来、世界中で起こっているように、あなたがたの間でも実を結び成長しています。

 

説教要旨

前回ヤコブ書より互いのために祈ることを見ました。では、どのように互いを覚え、何を互いのために祈っていくのでしょうか。コロサイ書は、パウロがローマの獄中から小アジアのコロサイに建てられた教会に記した手紙です。コロサイ教会の牧会者エパフラスからコロサイ教会の様子を聞いて記しました。(v7~v8)コロサイ教会には異端が入ってきて、福音の純正さと教会の平和が失われていました。パウロはコロサイ教会を覚え手紙を記し祈りました。「私たちは、あなたがたのことを祈るときにいつも、私たちの主イエス・キリストの父なる神に感謝しています(v3)」コロサイ教会のイエス・キリストに対する信仰とすべての聖徒に対する愛を聞き神に感謝しました。(v4~v6)コロサイ教会は、課題や問題がなかったのではありません。誤った教えが入り、イエス・キリストに対する信仰の面においても互いを愛する面においても課題を抱えていました。パウロは課題があったからこそこの手紙を記したのです。しかし、ここでパウロは即課題について書き出しません。神が成長させてくださっている恵みに感謝し、コロサイ教会を敬っております。私たちは互いのために祈ります。神の恵みによってイエス・キリストの救いに与り、神の育みの中にあるお一人おひとりであられるとの感謝から互いを覚えていく、互いのために祈っていく者でありたいと願います。

 

続いて、パウロは、コロサイ教会の課題のために祈りました。(v9~v12)神を知り、神との交わりの中で互いを愛する実を結び、そのために主によって強められるように祈ったのです。天の御国への望みを与えてくださっている父なる神に喜びをもって感謝できるように祈ったのです。それがパウロの祈りでした。いわば信仰の成熟のために祈ったのです。コロサイ教会の牧会者であったエパフラスもコロサイ教会が成熟した者として堅く立つことができるように祈りに励みました。(4:12)私たちは互いの健康や試練の解決を覚え祈ります。大切な祈りです。しかしそれだけではなく私たちは神への感謝に基づいて互いの信仰の成長のために祈っていく者でありたいと願います。

 

私たちは教会の互いを覚え感謝し、成長を願う祈りをなしていきます。それが結論です。でも、改めてパウロが置かれていた状況を覚えるのです。それはローマの獄中でした。ローマの獄中でパウロはコロサイ教会を覚え神に感謝し、成長を祈ったのです。私たちは自らが苦しみの中に置かれている時に、自分のことしか考えられなくなってしまうような者です。ゆとりがなくなります。自分が主に従っている時、人の信仰の課題や弱さと接し感謝や敬いの思いはなくなり、裁き易い思いとなります。また相手の成長を願う愛の祈りをささげることができない私たちです。しかし、パウロは自らは獄中にいながら、コロサイ教会を覚え神に感謝し、謙遜に成長を祈りました。そうさせたのは、どこにあったのでしょうか。「私たちはこのキリストを宣べ伝え、あらゆる知識をもって、すべての人を諭し、すべての人を教えています。すべての人を、キリストにあって成熟した者として立たせるためです。このために、私は自分のうちに力強く働くキリストの力によって、労苦しながら奮闘しています(v28、v29)」パウロのうちにイエス・キリストの力が働いていたからです。孤独の中で、苦しみの中で、イエス様の愛の力がパウロをとらえていたからです。イエス様は、私たちを愛しておられます。イエス様が愛してくださっておられることが分かりその愛に生かされるとき、相手にも注がれている神さまの恵みが分かって感謝の思いへ、そして相手を裁いて成長せよではなく、ともに建て上げられていく思いとなり、それが祈りとなっていくのです。主イエスが愛してくださっている愛を受け取って、互いを覚え神の恵みに感謝し、また互いの信仰成長のために覚え祈る祈りの共同体としてともに建て上げられていきましょう。