聖書メッセージ『とこしえの道に』 (詩篇139:17~24)

聖書箇所  詩篇139:17~24

139:17 神よあなたの御思いを知るのはなんと難しいことでしょう。そのすべてはなんと多いことでしょう。

139:18 数えようとしてもそれは砂よりも数多いのです。私が目覚めるとき私はなおもあなたとともにいます。

139:19 神よどうか悪者を殺してください。人の血を流す者どもよ私から遠ざかれ。

139:20 彼らは敵意をもってあなたに語りあなたの敵はみだりに御名を口にします。

139:21 【主】よ私はあなたを憎む者たちを憎まないでしょうか。あなたに立ち向かう者を嫌わないでしょうか。

139:22 私は憎しみの限りを尽くして彼らを憎みます。彼らは私の敵となりました。

139:23 神よ私を探り私の心を知ってください。私を調べ私の思い煩いを知ってください。

139:24 私のうちに傷のついた道があるかないかを見て私をとこしえの道に導いてください。

 

説教要旨

詩篇139篇は大変有名な詩です。冒頭から詩全体にわたって「あなた」と「私」が数えきれないほど用いられています。詩人は神が私と深く関わってくださることを驚きと感動をもって歌っています。1節~6節は神が私を知っておられることが、7節~12節は神は私がどこに行ってもともにおられることが、そして13節~16節は神が私を造られ覚えていてくださることが感動をもって歌われております。そのような感動をまとめて感嘆の声を上げているのが今日の御言葉です。「神よ あなたの御思いを知るのは なんと難しいことでしょう。そのすべては なんと多いことでしょう。数えようとしても それは砂よりも数多いのです。(v17~v18)」神が私を思ってくれている大きさを私が知るのはなんと難しいことでしょうとの意味です。神の私への思いは測り難い、素晴らしいと感嘆しているのです「私が目覚めるとき 私はなおもあなたとともにいます(v18)」神の私への御思いを私は測り知ることができない、それでも一日一日神とともにいる自分がいることへの感動、いいえ神は私とともにいてくださるということへの感動の言葉でしょう。同時に、この一日を私は神とともにいますとの信頼の告白の言葉でしょう。私たちは信仰者として神は私を知っておられる、神は私がどこにいてもともにおられる、神は私を造り覚えておられることを知っておりますし感謝しております。しかし、私がそう思うよりもはるかにまさって、測り難いほど、神の私への思いは深く大きなものであることを覚えたいのです。

 

続いて、詩人は神の私への思いが測り知れないと感動し神のすばらしさを覚えるからこそ、その神に敵対する者たちへの憤りを歌っております。(v19~v22)個人的な恨みや怒りではなく、神に敵対する悪への憤りです。(使徒17:16参照)大変強い、激しい言葉です。しかし、この義憤は、裏を返せば、測り難いほどの神の私への思いに対して私は神に敵対するような歩みはしないとの強い思いの現われでした。

 

詩人は、神に敵対する者たちへの憤りで終わりません。今の自分の神との関係を顧みております。神に私を探り、私を調べ、私の心を知ってくださいと祈っております。(v23)何を探り調べてほしいと祈っているのでしょうか。「私のうちに傷のついた道があるかないかを見て私をとこしえの道に導いてください(v24)」「傷(v24)」とは、感情の痛みということではなく、神への不信、神への不従順の思いや歩みを表しております。そのような神への不信があるかないかを探り調べ見てくださり、私をとこしえの道に導いてください、神の御心にそった道に導いてくださいと祈っているのです。ここで覚えさせられることは、詩人の詩はこれまでずっと感動の告白となっておりましが、最後において「神よ(v23)」と神を呼ぶ祈りとなっていることです。神の御心の道に歩むことができるのは、私によらず、神によるからです。神の私への測り難い思いに感動して感嘆して、その神の御心に私が歩めるように神が私をお導きくださいと祈ったのです。

 

元旦の朝、私たちも神の私への思いが測り難いほど大きなものであることを覚え、神に従う道に導いてくださいとの祈りをなしていきましょう。それを朝ごとの祈りとさせていただきましょう。神は私たちのなすその祈りを決して蔑ろにされません。地に落とされません。神は御心にそった祈りに必ず応えてくださいます。神は私の祈りに応えて、私に不信を気づかせ、私のまとわりつく不信を捨てさせ、一日一日主の御心の道へと、いのちの道へと私をお導きくださるのです。聖霊はこの年も私たちを深く探り、弛まなく私たちを助けて、神の御心にかなった思いと歩みへと導き続けてくださるのです。「私のうちに傷のついた道があるかないかを見て私をとこしえの道に導いてください(v24)」