聖書箇所 Ⅰコリント15：12～19
15:12 ところで、キリストは死者の中からよみがえられたと宣べ伝えられているのに、どうして、あなたがたの中に、死者の復活はないと言う人たちがいるのですか。
15:13 もし死者の復活がないとしたら、キリストもよみがえらなかったでしょう。
15:14 そして、キリストがよみがえらなかったとしたら、私たちの宣教は空しく、あなたがたの信仰も空しいものとなります。
15:15 私たちは神についての偽証人ということにさえなります。なぜなら、かりに死者がよみがえらないとしたら、神はキリストをよみがえらせなかったはずなのに、私たちは神がキリストをよみがえらせたと言って、神に逆らう証言をしたことになるからです。
15:16 もし死者がよみがえらないとしたら、キリストもよみがえらなかったでしょう。
15:17 そして、もしキリストがよみがえらなかったとしたら、あなたがたの信仰は空しく、あなたがたは今もなお自分の罪の中にいます。
15:18 そうだとしたら、キリストにあって眠った者たちは、滅んでしまったことになります。
15:19 もし私たちが、この地上のいのちにおいてのみ、キリストに望みを抱いているのなら、私たちはすべての人の中で一番哀れな者です。
説教要旨
イースターおめでとうございます！毎年主イエスの復活を祝うイースターはこの上ない喜びです。今年は新型コロナウイルス感染拡大の中でともに集まってお祝いできず残念に感じます。でも、この困難の時にこそ主の復活をお祝いできることが神の恵みではないかとの思いに少しずつ導かれてきました。今日も使徒信条において主イエスが「死人の内よりよみがえり」と告白しました。主イエスは死の中から復活され今も生きておられます。パウロはⅠコリント15章で「死者の復活」を取り扱っています。コリント教会内には主イエスの復活は信じているが、自分たちの体の復活を否定している者たちがいました。パウロは主イエスの復活は信徒の体の復活をもたらす救いの出来事である、従って信徒の復活を否定するならば主イエスの復活もなかったことになると、結果の否定は原因の否定となると述べ、信徒の復活の希望を告げました。結論的には「今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました（v20）」です。この結論を述べる前にコリント教会に宣べ伝えてきた基本的なことを確認しました。（v1～v11）主イエスは私たちの罪のために十字架で死なれ葬られ、三日目によみがえられ弟子たちと教会を迫害した自分にも現れて下さったと告げました。また、十字架の死も復活も「聖書に書いてあるとおりに（v3、v4）」と、神のご計画に従ってなされたと告げました。主イエスの復活の確かさを鮮明にし、信徒の復活の確かさの「基盤」としました。
続いて信者の復活を否定したならば主イエスの復活を否定することになり、主イエスの復活を否定したならば恐るべき結果を招くことにになると告げ、死者の復活の否定の考えを変更しようとしました。（v12～v19）主イエスの復活を否定したならば、恐るべき結果の三つを覚えていきます。第一は、主イエスの復活がないならば私たちの罪の赦しはないのです。言い換えるならば、主イエスの復活は私たちの罪の赦しの確証です。（v17）十字架の死と復活は密接に結びついています。（v3～v5）主イエスの復活は、ローマの極刑を受け、神ののろいを受けたとされていたイエスが神の御子であり、十字架の死が神の救いの御業であることを確証しました。それ故に主イエスを信じる時に、私たちの罪が赦され、神との関係が回復するのです。第二は、15章の要点となっていますが、主イエスの復活がないならば私たちの死後のいのちと体の復活はなく、キリストに従い苦しむことは空しいのです。言い換えるならば、主イエスの復活は私たちの死後のいのちと体の復活の保証であり、信仰の闘いを支えます。（v18）（v19）（v58）キリスト者にとっても死は悲しみです。恐れでもあります。でも、私たちの心の奥底には誰も奪うことのできない「天の御国への希望」「復活の希望」があります。その望みは、苦難や信仰の闘いの中でゆとりを与え、「笑みつつ絶えず進ま（讃美歌452）」せます。
第三は、主イエスの復活がないならば福音宣教の根拠を失います。（v14）言い換えるならば、主イエスの復活は宣教の根拠です。（v14）すべての人は、はっきりと言いませんが、二つの解決できない痛みを抱えているでしょう。私がそうでした。「愛の渇望」と「死の恐れ」です。キリストの福音は、人を神へと立ち返らせ、神の真実な愛の中に導き、確かな天の御国の希望を与えます。この福音を宣べ伝え、証していきましょう。
復活された主イエスは自分の弱さに嘆くペテロに現れ立ち上がらせ、神の御心に背き自分の正しさに立てこもっていたパウロに現れ新しい命を与えました。主イエスは復活され今も生きておられ、私たちと出会い、私たちに罪の赦し、永遠のいのちの希望、そしてそれに基づく平安、喜び、使命を負う力を与えて下さいます。この朝、復活され今ともにおられる主イエスを見上げ、罪の赦しと復活の希望を感謝し、苦難の中ですが笑みつつ今日の務めをなし、福音の証しに生きていきましょう！